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ここは王都から遠く離れた、良く言えば森に囲まれた緑豊かな、悪く言えばド田舎だというおかげで魔王の脅威に一切さらされていない小さな村、『ホロロ村』。
あまりに田舎過ぎて王国でこの村を知る者は領主を含めてほとんど知らない。
それでいいのかよ、領主。
領主が村の存在を把握してないおかげでそこまで重くないけど納めに行くのが面倒な税を納めに行ってない。
それでいいのかよ、領主。
終いには村の名前が全く知られていないから「ビッグになって帰ってくるぜ!」なんて勢いで村を飛び出した若者が辿り着いた都市で「ホロロ村?どこそこ」なんて言われる始末。
更には「どこか分からない村出身の奴なんか怪しくて雇えない」なんて追い返される。
でも家族に格好つけて家を飛び出したから帰るに帰れない。
そんなこんなで行き倒れになって若い娘に助けられてその娘と恋に落ちて幸せに暮らす。
良かったじゃない、若者。
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