第四章

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第四章

Name:婆さん Age:72(享年) 全ての生命の頂点に君臨する、絶対にして完全なる力を持つ究極生命体。 姿こそ人そのものではあるが、中身も外見同等と判断する事、それだけで彼女と相対する場合死の要因としては十分である。 もし婆さんの気に障るような言動を取れば、どれほど許しを請うても手遅れだ。 婆さんの気に触れた瞬間、対象の首と胴体は永遠の別れを強要され、死して大地の肥やしとなる事すら許さぬが如くその肉片を炭化させられてしまうだろう。 だが、婆さんの生涯で一度たりとも彼女が本気を出した事は無く、その実力の片鱗を知るのは夫兼被害者の爺さんと、うっかり目の前で爺さんの粛正を行ってしまった際に見てしまったメルだけである。 家族以外の人間には息子を愛し、嫁を愛し、孫を愛で、夫に少々厳しい至極普通の人間としか映ることはなかった為、婆さんを異様に恐れる爺さんの事を見るホロロ村の人々の眼差しは哀れみを含んでいたという。 上記の様に婆さん自身はその正体を知れば万人が口を揃えて究極という称号を与えるに相応しい実力を持つが、やはり人の子であったのか。齢72歳で他界した。 だが、婆さんの力を考慮すると6世紀は問題なく存命も可能とされ、寿命による死とは考えにくい。 恐らく宇宙由来の病原菌か何かに感染したのだという説が学会では有力視されている。 だが、恐怖の権化たる婆さんを殺せる程の病原菌が地上に残存していた場合、この世は既に終焉を迎えているはずである。故に婆さんは病原菌をその一身に全て受け入れ、自らを犠牲にし病原菌を道連れにしたのだと唱える学者も少なくはない。 死して強靭な肉体こそ滅びたが、それ以上に強靭な魂は滅びること無く、今も息子夫婦の安泰と孫の成長を見守ると共に愚夫の暴走を食い止めている。 好きな物はメル、爺さん。嫌いな物は爺さん。 好きな物と嫌いな物両方に爺さんが挙がっているが、要するに普段の爺さんはそこそこ好きではあるが、時たま暴走する爺さんを鎮静するのが面倒であるから嫌いだという事である。 実を言うと物語の結構重要な立ち位置にいたりもする。 むしろこれ程の者がその位置に座しない方がおかしいというものだ。
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