必然の出会い

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俺の名はゼロ。 職業は俗にいう殺し屋だ。 それも黒の悪夢(ブラック・ナイトメア)という裏の世界じゃ有名な組織の。 殺し屋というのは本来過去を捨てた者が来るらしいが、俺の場合、過去自体持ち合わせていなかった。 組織に入ったときは昔の記憶が全くなく自分の名さえも思い出せなかった。 いわゆる記憶喪失の状態。 だが、過去の記憶を捨てるこの組織ではさほど困らなかった。 ただひとつ困ったことと言えば、まるで組織という名の“機械”のなかに自分がただ一人でいるような、そんな感覚になったことぐらいだろうか。
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