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「わあ……俺負けそう……。」
「ふっ……んな事ねぇだろ?お前なら。」
直後二つの風の塊がぶつかり合う。そしてすぐに間をとって今度はお互い風の波を飛ばす。
ヒカルはそれを見て波に乗る様にかわしまた風を纏い飛び出した。
アヴァールの方は当たらずに飛んできた波を別な波を当てて相殺し、空気弾を飛ばした。
ヒカルは一発目はかわしたが二発目に気が付かず、もろにくらい墜落する。
「痛ってー、つーかアヴァちゃんつえーや。」
「あ……アヴァちゃん……?」
風をクッションにでもしたのかヒカルは瓦礫からひょこっと顔を出した。
アヴァールは今まで呼ばれたことの無いような呼び名で名指しされたためか戸惑うがすぐに平然を装う。
「そんな事言ってる前に自分の置かれてる状況解ってんだろうなぁ?」
「うーん、多分!」
「はぁ……じゃあ風の攻撃に置ける最大の特徴はなんだ?」
「ちょーきょりー!」
「では、その特徴を生かした軍などで戦闘時に担う役割は?」
「……そ…狙撃……って…まさかっ!」
「そうだよ、俺は風で誰かを斬ろうと思う。」
アヴァールは口元を吊り上げ笑った。手には風が渦巻いている。
本気のようだ。
「おぉっ調度いい奴いんじゃん!あの黄色い奴……。」
アヴァールは不敵に笑った。
ヒカルが振り返るとリュウヤがナイトと撃ち合いをしていた。。
「おっと、動くなよ?動くと斬るぜ?」
「………………っ。」
ヒカルは悔しそうな表情を浮かべる。
「おー……あいつでもいいな。」
「………くっそ……。」
下手に動くと斬られる為、何も出来ない自分とアヴァールに憤りを感じた。
「決めた………黄色い奴。」
アヴァールはそう呟くと風の刃を飛ばした。ヒカルはそれに気が付き風を纏い飛び出す。
「かかった…………。」
直後鉄の臭いが辺りに広がった。風を纏いながら横から突っ込んで相殺する気だったのか飛び出したヒカルは急に向きを変えて向かって来た刃に驚き左肩を思いきり斬られた。
「最初からお前だけさ、狙ったのは。」
「……き……汚いぞっ…。」
ヒカルの血の気が段々引いていく。ほぼ気力で立っているに近かった。
「……ぅうっ……。」
自然と涙がこぼれる。
目の前がチカチカして立っていられず膝をつく。
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