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「大丈夫でしょうか?」
角を曲がった所でリュウヤは振り返り呟いた。
「大丈夫だって、すぐ来るさ。」
「そうだよぉリュウヤ。……あっ!」
コウイチは何かに気が付き二人を引き寄せた。
直後爆風と炎が押し寄せる。
「バオ・シイア。」
コウイチが三人の方にも飛んできた炎を魔法で打ち消した。
「何があったんだ?」
「わかんない……でも今のはユウちゃんの炎じゃないよ。」
「いえ、少し混じってました。多分セントフィアンマかと…。」
「じゃあ……風圧から考えて赤系の魔法だけじゃ無理だから…。」
「最初に炎を放って何秒かの時差をおいて風をぶつけた…といったところでしょうか?」
「だから強いインパクトになったんだねぇ。」
曲がり角を少し戻りユウとヒカルがいるであろう方向を見る。
強い朱色の光が見えた。
「すぐに来るねぇ。」
コウイチはふにゃりと笑って二人を見た。
少し待つと足音が聞こえ曲がり角からユウとヒカルが顔を覗かせる。
「あっ、待ってたんだ。」
「うん、おつかれ~。大丈夫だった?」
「うん…………と言いたいところだけど、もうふらふらです。」
「どんだけ無理したんですか?!
それに手が………。」
「あー……これは…「あのね、ユウちゃんったらめっちゃかっこいいの!なんか炎と一緒になってぐしゃって…「少し黙りましょうか?」
「とりあえずユウちゃんかっこよかったの!」
「少しは人の話も聞きましょうか。それで、どうだったんです?」
「えっ…とぉ……殺ってきた。」
五人にしばらくの沈黙が流れる。
リュウヤがその中で重々しく口を開いた。
「あ……あなたがですか?」
「ん………まあ…そうだけど。」
「その場にいて確かめたいぐらいですよ……。」
「ひどくなぁ……、俺だってやれば出来るし。」
「ですよね……。」
「じゃあ行こう。もう少しで着くから。」
ユウは手に付いた血を拭いながら歩き出した。
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