十四章

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「ほう、やるではないか。」 「お前もな。」 布が少し焦げている。避ける際に炎を飛ばしていたようだ。 「だが、まだまだだ………。」 「へぇ…お前青の種族かと思ったら紫なんだ……。」 「ち…違う……俺はそんな中途半端な奴らじゃない!」 「認めろよ、同じ種族の俺にはわかるぜ。」 「違うと言っているだろうっ!」 「ってぇな……少しは冷静になろうよ。」 「五月蝿いっ!」 氷で覆った拳で殴り掛かって来るがハヤトはそれを簡単にかわす。 「ルナー・プラーミャ!」 それは拳に当たり氷は砕け溶けた。 「……い゛っ?!」 「調子に乗るなよ………。」 ハヤトの四肢にはに再び氷結した氷の柱が突き刺さっていた。 血が滴っている。 「ちっ……動けねぇ……しかも痛ぇし……あ゛ーっムカつく!」 「………………。」 青い奴はハヤトを見下し、とどめを刺そうとした。 しかし、………………… 「魔力の流れがおかしい……。」 突如辺りに異常な魔力が溢れた。その場にいた者全員が振り返る。 「アハハハハハハハハハッ…。」 そこには、けたましく狂ったように笑うユウがいた。 ―ユウVSレツ― 少し前…… 「ユウさ………ほんとに炎しか使えないの?」 「う…五月蝿いな……十八番なんだよ、遠距離がさ。」 「それってただ理由付けてるだけじゃね?大地系も遠距離だけど……。」 「人の揚げ足ばっか取んなよ!」 レツは苦笑しつつ魔法を放つ。 地面が割れそこから岩の柱が飛び出した。 「危なっ、つーか足場ねぇよ!」 「周りを見ないお前が悪い。それと、遠距離得意ならやってみろよ……ほらっ…。」 「エルプシオンッ!」 ドンッと大きな音を立てて溶岩が噴き出した。レツが作り上げた地形を上手く利用したようだ。 「やるじゃん、だけどこっからどうやって攻撃すんのさ。」 「こうやってだよっ!」 ユウは溶岩を操りレツへと飛ばした。しかし簡単に弾かれる。 「なっ……?!」 「大地系のエキスパートに中間の魔法を使うなんて弾くのはおろか操る事だってできる。」 レツは間接的に溶岩を巻き取りユウに飛ばす。 先程とは真逆の光景。 「当たるのが嫌なら防いでみろよ、出来ないようなら死ぬぜ?」 蛇の様に溶岩を操りユウを困惑させた。 .
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