十四章

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今までいた方は炎を纏いながら姿を変えた。それはコウイチが見たことのある姿だった。 「今までのはレオね……。」 「あぁ、俺はあまり表に出ないようにしてきたからな、まさかあの緑の奴に見られるとは思ってるなかったからどうしようか悩んだけど……。」 レツはコウイチの事を強く押した。直後炎が飛んだ。赤を通り越して白い炎である。 「すまねぇがお前は傍観しててくんねぇか?自分で決着を着けたいんだ……ユウもそうなはずだ。」 コウイチはユウを信じて頷いた。 「お前のせいで………お前のせいで……。」 「闇に…呑まれたか……残念だな………。」 「五月蝿いっ!」 「いくら範囲が広くてもあてずっぽうにやったって意味ねえって前に俺が言ったろ?」 「うわあぁぁっ!」 「あっぶね……。おい、ユウの力の管理者、ユウを止めろ!出来るだろ?」 右肩の辺りにブワリと炎が上がり鳥が召喚された。 『ツヨスギル……』 脳裏にぼんやりと響く。 「そうか……お前は出来るか?」 『不可能ではない……。』 赤い光がレオから放たれる。 それに共鳴するようにユウからも光が出た。 「あぁっ…………。」 ユウは魔力が急に減った為戸惑っていた。 赤かった目と髪が元の色に戻っていく。レツはそれを確認すると辺りを見渡した。 「おい、今から皆に面白い話を聞かせてやる!」 部屋全体に響くように言った。 ―リュウヤVSナイト― リュウヤはユウの異変を感じていたがちらっとしか見ることが出来ずにいた。 「しつこいですね……。」 「クカカッ……心配か?」 「そりゃあ………聞くだけ野暮ですよ。」 「ヒャヒャヒャッ、お前が焼かずに斬っただけだったら見れたかもしんねぇのによぉっ!」 「しつこいだけじゃなくて五月蝿いです。あっ……五月蝿いのは最初からでしたか…。」 今のはさすがに頭にきたようで、さっきより攻撃が激しくなった。 「危ないですって、もう……やだなぁ……。」 リュウヤはにこりと笑い閃光を放ち、それを弾くようにナイトも電撃を飛ばした。 「普通同じ種族だったらあんま効かねぇのによぉ……。」 ナイトは愚痴を漏らす。 この世界の理から考えればそう思うかもしれない。 「あなたが弱いからじゃないですか?俺は赤目だし管理者持ちですから。」 .
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