十五章

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「ですが………。」 「ほんとだって、多分あいつも 手は出さないと思うし……。今はハヤトを助けに行って。あのままじゃ死ぬよ。」 ユウは瞬時に鋭い赤目と赤髪に 変え、冷たく言い放った。 リュウヤは一瞬目を見開きゆっくりと頷いた。 「その力………欲しい……。」 「まだ、……言ってるの?いい加減にしてよ。」 「欲しいんだよ、……赤い力………その力を奪って消す為に俺は このステージを用意したんだ…………いまさらやめない……やめるはずがない……。」 獣のような叫び声を発しユウの 頭を掴み押し倒す。 「返せ?返せだと?誰がっ?!こんなにも素晴らしい力!唯一無二の炎の力をっ?!なら奪ってやる!奪ってお前を消してやるっ!」 赤いオーラが噴き出してレツに 吸収される。 「あははっ……レツ、もう……俺達……前みたいに……戻れないんだね………………………………………………最後にさ、一つ教えてあげる、それはな……………………………俺の手を押さえなかった事だよ!」 鈍い音がしてユウの手が紅く染まった。 「がっ………ぐふっ……。」 腕がレツの腹を貫いたのだ。 ユウの手は炎と同化しまだ燃えている。 ブチッと音がして直後に大量の血が腕を伝った。 「………望みはこれでしょ?」 「ふっ………ははっ……お前にはすぐにばれちまう……。」 「どうして………こんな形でしかいられないんだろうな。」 「まったくだ………。」 レツは吐血した。 ユウは一気に手を引き抜く。 支えのない体はユウに覆いかぶさり、一斉に血が広がった。 「俺には………返す力はなかったみたい……。」 「もう……喋るなよ……。」 「いや、言わせてくれ……もう最後だろうから………。」 うん…とユウはゆっくり頷いた。 そしてレツを抱え上げるように して話しやすいようにした。 「俺は……あの時ユウが………少しでも………楽に…生活できるように送り出したつもりだった……。」 だけど…と言って言葉が詰まり 血の混じった咳をする。 「あいつの……言ってい…た事は嘘だっ……た。さっき……金って言ったが………それは俺のついた嘘だ………やつがユウの事を軍に入れていい生活を送らせてやると言ったからやったのに……本当はお前を…生物兵器に……して軍に売り出す…つもりだったらしい……。」 「ふはっ……そいつ…馬鹿だね。今の軍はそんなことしないよ。」 .image=390077727.jpg
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