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しばらく皆は動けなかった。
しかしユウの慟哭が小さくなるにつれて少しずつ皆動き出した。
「ユウちゃん?」
「………………。」
「ユウ……ちゃん。」
「ねえ……コウちゃん、これでよかったのかな?」
「…………。」
コウイチには答える事が出来なかった。後ろにいたヒカルとリュウヤとハヤトは目を逸らして口を紡ぐ。
「ぐるるるっ。」
「わっ…………!」
レオがユウに顔を擦り付けた。
『それでよかったんだ。レツはそれを望んでいた。力をやっと返せると喜んでいた。だから主よ、それでよかったのだ。』
「……………本当に?」
『そうだ………。』
「ねえ………名前は?」
『名はレッカ。あいつと同じ名だ、あいつが付けたんだ。』
「れっ………か……レッカ………!」
ふわりと赤い光が舞いレオが光の粒子となりユウの中に吸い込まれ、直後ユウは目を閉じ亡きがらに折り重なった。
「ユウさん!」
「大丈夫だよぉ、一気にたくさん力が戻ったから少し体が対応できなかったんだねぇ……。」
コウイチは優しく笑いながらユウの頭を撫でた。
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