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「ユウちゃんユウちゃんユウちゃんユウちゃんユウちゃんっ!」
「何っ?!五月蝿いよ?」
「あのさあのさあのさっ東の町に行かない?」
「はぁ………。」
ユウとレツの件から一ヶ月ほど経っていた。
しばらくの間ユウは沈んでいたが、段々元の様に戻ってきた。
「いいんじゃない?でも皆に聞いたの?」
「きーたよ!そしたら皆いいって!」
「そっか………じゃあ帝王に聞いて来るわ。」
「やった!」
「シナ、留守番よろしく!」
「はーい、あっユウさんお昼どうします?今から作ろうかなぁ……と、思ってたので。」
しばらく考えて……
「じゃあお願いします!行ってくるね!」
「わかりました!いってらっしゃい!」
「ウヒャヒャッ、俺手伝うー!」
「ヒカル、ひとつまみと一掴みは間違うなよ!」
「間違わないよーつって!」
「わーっ、ヒカルさん、それ一掴みですよーっ!」
「やべぇ……すっげぇ心配だ……。」
そう言いつつユウは帝王のもとへ向かった。
「ユウ、どうしたの?」
「いや……あの……。」
「ヒカルから聞いたんだネ。いいよ、行ってきな?」
「今俺の心読みました?」
ユウが聞くとクスクスと笑った。
「ヒカル、だいぶ心配してるヨ。自分だけで抱え込むのは勝手だけど周りも考えなくちゃネ。」
「………………。」
「どうしたの?」
「いや………なんか……。」
「こう見えてちゃんと見てるんだヨ、ボク。」
「み……みたいですね………。」
若干困惑気味のユウを見てさらに帝王は笑った。
「あっ……そうだ、前にボクが君達に掛けた魔法はね、ヒカルのだけ発動したヨ。石と魔力で増幅したみたいなんだよネ。」
「そうなんですか………。」
「それとコウイチに伝えて欲しいんだけど二日後の議会に今度こそ出席するように言ってネ、欠席したら罷免するよ、と。」
「それは俺らが困りますね、わかりました、言っておきます。」
「お願いネ、議会が終わり次第行っていいから。調度任務もあるんだよネ。」
「了解です、それでは依頼書を議会終了後に取りに来ますね。」
「ばいばーい!」
にんまりと笑って手を振った。
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