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―五日後―
「終わったぁーっ!」
「つかれたよぉ………。」
「なんでまた時間が延びますかね。つーかリーダー寝てただけでしょう?」
「予定調和しないの一番嫌いだ!一昨日出発する予定だったのに……。」
「軍の予算また減った……教育費が増えるのは嬉しいけど。」
思い思いの愚痴を言い議事堂から出る。
本当はまだ話し合いが続いているが帝王の計らいで副室長を代理に措かせてくれた。
一応一つの国である訳であって、全て軍と帝王では成り立っていない。軍の室の他にもいくつか部署がある。
「ユウさんがいなかったら軍の費用がだいぶカットされてましたよ。」
「そんなことないよ、だってあいつらムカつくんだもん!金金金って………金の亡者かってんだ!」
「ちょっと変な事言うとすぐに群がるからきらいーっ!」
「あんまり来ないリーダーの事だいぶ言ってた死ね。」
「ハヤト、最後……今死ねって………。」
「えっ?そんなことねぇよ、ユウちゃん。」
「…………こえーなぁ……。」
「国民に見せたら多分怒るでしょうね?」
「うん、まだ帝王がいるからなんとかなってるだけで……。」
五人が話しながら歩いていると目の前に人が現れた。いつか見た白装束だ。
「依頼書でございます。馬車とあちらに着いてからの宿の手配は済んでおりますので……後……何かございますでしょうか?」
「皆なんかある?」
「じゃあ、宿はどこになるのでしょうか?」
「宿はヒカル様のご家族が運営なさっている所でございます。」
「へぇ……。」
「荷物は既に積んであります。それでは私はこれで……。」
そう言って白装束は消えた。
「俺ん家民宿みたいなとこだよ?いいの?」
「いいじゃないですか、確か民宿じゃなくてペンションですよね。」
「なんか安く済ませようとする策略見え見えなんだけど……。」
「いいじゃん、行こ行こ。」
「ぼろいけど文句言わないでね?」
「言わないよぉっ!」
五人は少し早足に馬車へ向かった。
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