十六章

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「うわっ……止まれっ!危な………ギャアッ!」 炎を見て興奮した馬が暴れだし一人が落馬した。 「まず一人………。」 ユウは蔑む様に見下し次の一手にでる。 『ユウ、お前っ!』 「大丈夫だよ、レッカ。自分の手は汚したくないからね?」 だから炎に任せる…と言って炎の勢いを強くした。 『お前はあいつらを精神崩壊させる気か?』 「まあ……そんなところ。あっ……二人目。」 二人目は自ら炎に突っ込んで焼けた。 「あと一人………怖いなぁ……そんな睨まないでよ。」 「………本当に……あと一人か………?」 「はぁ?」 『ユウっ後ろ!』 「えっ………?」 肩と腹と右足に痛みを感じた。 途端に意識が朦朧とする。 「く……そ…………毒矢……か………。」 「まず一人だ……。」 ユウは空中から落下した。 「ハヤトっ!ユウちゃんは?」 「ヒカルか?さっき足止めに行った。」 ヒカルは今馬車に平行に飛んでいる。状況を見計らい降りてきた。 「わかった!行ってく………」 ひゅおっと空を切る様な音と共にヒカルは失速し視界から消えた。 「ヒカルっ!くそっ……リュウヤ後ろはどうなってる?!」 「ヒカルが墜ちました!防御壁が効いてません!」 「なっ………一旦停まるぞ!………くっそ……どうなってるんだよ……。」 悪態をつきながら停車させ降り、すぐにヒカルに駆け寄る。 脚に矢が刺さり、刺さったところが変色していた。 「………毒矢か……?リュウヤ、なんか紐か細長い布をくれ!」 「わかりました、でも何に?」 そう言って大きめのハンカチを渡す。 「こうするんだ、痛てえけど我慢しろよ?」 そしてハヤトは傷口の少し上を強く縛った。 「あ゛っ痛っ………!」 「リスクは高いけど全身に毒は回んねぇから。リュウヤ運ぶの手伝って。」 「了解です…………リーダーはどこに……。」 「ちょっとユウちゃんとこ行ってくる。なんか心配………っ!」 「どうしたの、リーダー?」 「あぶな……………」 ハヤトに影が覆った。 振り向くのが少し遅かった。 そこからはスローモーションの様に動き、影がハヤトに向かって剣を振り下ろそうとするところに小さな黒い影が重なり血が舞った。ゴロンと猫の首が転がる。 .
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