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「おはよ」
荷物をまとめながら挨拶を返す。
―――やべぇな、また熱上がったか?
ふわふわとする頭を覚ますように、眉間を指でほぐす。
「かけるくん?」
「大丈夫ですか?」
様子がおかしいのが伝わってしまったのか、二人が昨日の阿井ちゃんのように心配顔。
―――悪いことしたな、心配かけさせちまった。
「大丈夫だよ。
ちょっと睡眠不足なだけ。」
にっこりとアイドルスマイルを浮かべて、二人をたしなめ、楽屋を出ようとした。
だが、それは無理だった。
「駆さん!?」
「かけるくん!?」
反転する世界。
熱くなる視界。
鈍い痛みを体の全体で感じてから、俺の意識は途切れた。
―――あーあ、バカみたい。
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