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灯「ん~やっぱいいな!屋上は!」
景「そうだな・・・」
弁当を食べ終わり、
ペットボトル入りのお茶を飲んで
一息つく。
駆け抜ける風が肌に気持ちいい。
灯「晴れてよかったな!
確か今日は満月だろ!?」
景「そうだった筈だな。」
灯「前回は雨降って
駄目だったからな、
今回は頼むぞぉ神様!」
景「神様、か・・・ホントに頼むよ。」
さっき言ったが
部活は剣道。
それと、非公式で、
『月鑑賞同好会』なる
物を
やっている。
部員・・・いや、会員は俺と
灯の二人だけだが。
部活関連で知り合った――――過去に先輩に部活に入れるように言われ、誘いに行った――――
のを最初に親しくなり、
互いの趣味でこれを立ち上げたのだ。
灯「それにしてもさ、
変わってるよな。」
景「何が?」
灯「お前がさ。
”紅い月”と”蒼い月”が
好きなんだろ?」
景「まぁな。両方何度か、
田舎の親戚の所に行ったときに
見たことがある。」
灯「いいなぁ・・・」
バカにうるさい奴が、
バカに静かになったな・・・
こいつの場合、考え事でも
しているのだろう。
灯「・・・よし決めた!行くぞ!」
景「何処へ?」
灯「お前が言ってた
田舎にだよ!」
景「それ、いいな。」
灯「だろ!?日にちは
1ヶ月後の夏休みでどうだ!?」
景「よし、良いと思う。
でも、帰りのバスが・・・」
灯「俺んちの小型のテントを
持って行けば大丈夫だ!」
景「分かったよ。でも、
まずは今日の月だ。」
灯「わかってるさ。」
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