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稜駿『お前ら、まじで卒業かよ』
美知『だからさっきから何回も言ってるでしょ!』
真優『同じこと聞かないでよね、』
信じられなくて何度も聞く稜駿くんは、美知代ちゃんと真優香に責められている。
なんだか可哀想だけど、いつものこと。
そんな“いつものこと”が、もう明日から無くなってしまうのは悲しくて。
だけど皆、泣かないんだもん。
泣いちゃいけない気がして、涙を耐えることしか出来ないよ。
すると、背中に暖かい手が置かれた。
菜々『青來、』
青來『あ、菜々香ちゃん』
菜々『卒業やんな?お疲れさん、』
いつものカッコイイ菜々香ちゃんの言葉。だけど、いつものカッコイイ表情が悲しく見えた。
きっと、寂しい気持ちはみんな一緒。
真優『なーにしんみりしてるの、青來!』
美知『こういう時こそ、笑顔でしょ?』
いつも私に喝をいれてくれる真優香が私の頭を撫でてくれた。
可愛い声で私を慰めてくれる美知代ちゃん。
この場所がほんとに大好きだったんだ、私。って、再確認した。
青來『…ヒック、卒業しても、みんなっ、仲間、だよね…っ?』
涙が邪魔をして上手く話せない。
だけど、私が言ったことが伝わったのか、みんなが笑った。
稜駿『当たり前だろ、な!?』
菜々『そうや!仲間には変わりない』
真優『そんなの心配する必要ないでしょうが!』
美知『そうだよ!だから青來泣かないで?』
みんなと出会えて良かった。
これからも仲間だと思えるみんなに出会えて、ほんとに嬉しく思えるよ。
菜々『ほな、みんなの所行くで!』
稜駿『お、そうだな!』
美知『みんな待ってるはずだし』
真優『ほら、青來行くよ』
青來『…うんっ』
―ほんとに―
(ほんとに大好き、ほんとに!)
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