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「まったく。世間の男児はエロ本エロ本って・・・・変態ばっかだな」
隣を歩いている先輩、林(はやし)友香里(ゆかり)先輩は帰る途中に寄ったマックで買ったハンバーガーに噛り付きながら言った。
友香里先輩は女子バスケ部の3年で部長つまりキャプテンだ。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗、非のうちどころがない完璧人間。
それと本人は知らない(本人が気付かないだけだ)がファンクラブがある。
「みんな、思春期だからしょうがないじゃないですか。俺もそうですし・・・・」
俺は茂治(しげはら)勇也(ゆうや)男子バスケ部2年。
普通の高校生だ。
悔しい程にな・・・・。
で、明らかに友香里先輩と無縁そうな俺がなぜ一緒に下校しているかというと、家が隣同士だからである。
ついでに、幼なじみだ。
もちろん学校の皆には内緒。
知られたら確実に殺されるからな・・・・。
俺はまだ死にたくない。
「・・・・・・ふむ。なぁ勇也」
ハンバーガーを口に加えながら黙って前を凝視していた先輩が目を逸らさず不意に俺を呼んだ。
「なんですか?先輩」
呼ばれたからには返事をする。
これ普通だよな。
「さっきから気になってたのだが・・・・私達のあとを付けてる者がいる。お前の知り合いか?」
「・・・・・・先輩」
「なんだ?」
「あなた、人間ですか?」
「失礼な。私は普通の人間だ。一般人だ」
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