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今日は一日中快晴。
どこかのテレビがそう言っていた気がする。
教室の窓から外を眺めれば、真っ青な雲一つとない空が広がっていた。
今日の天気も、予報通りの天気。
しかし、俺が今過ごしている時間は、俺の予想通りには毎回動いてくれはしない。
毎日が平凡で退屈な日々。
何かが起こればいいのにと、窓の外の真っ青な空に心の中で呟いてみたって、何かが変わると言う事でもない。
俺は、ふと机に置かれた教科書とノートを一目する。
そこには数学と書かれた文字の下に一年の頃に書いた俺の名前が印されていた。
『近江優樹(おうみ ゆうき)』
何とも女々しい名前だろう。
小学生の頃、俺はこの名前が女々しいと言われ、苦い思い出がある。
そのせいか、中学生の時、俺は様々な経験をした結果……今で言う問題児となってしまった。
髪を茶髪に染め、ピアスをし、授業放棄や他校とのケンカ。
今数えればきりがない。
しかし、一先ず高校へ行け、と中学の頃の担任に言われたため、一応通ってはいた。
まぁ、ここの生徒からしてみればお気の毒だよな……。
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