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「い、てぇ……」
気がついた俺は、頭を抑えながら起き上がる。
辺りを見渡せば、どうやら俺の家らしい見慣れた家具が目に入る。
特に変わった物のない1LDKのアパート。
その部屋のベッドで横になっていた俺は、意識を手放す前の事を振り返る。
「確か……変な化物に襲われて……それから、それからー」
そう、誰かに助けられた。
それが誰だったのかは、分からない。
「そういや……暖かかったな」
俺は、触れられたであろう肩に触れてみる。
そこはどことなく、暖かかった。
「あ……そういやケータイ」
俺は制服のズボンのポケットに入れたままだった携帯電話を手に取る。
訳あって親とは離れて暮らしているため、何かがある時は携帯電話を頼りに連絡をしている。
携帯電話を開くと、そこにはメールのお知らせ。
「宅配便……?」
それは宅配便のお知らせだった。何かを頼んだ覚えはない。
俺は、詐欺から何かなのだろうと思い、気にしない事にした。
時計を見れば既に九時を廻った所だ。
「一先ず……風呂」
俺は疲れを流すため、風呂場に向かった。
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