Opening

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――ピンポーン… 「ちっ……んだよ、ちょっと待てよ!」 ようやく湯に浸かってのんびりしていたというのに、インターホンによって呼び出されてしまった。 俺はズボンだけをはき、髪をタオルで拭きながら玄関の扉を開ける。 「お届け物でーす!」 俺は扉を閉める。 ――待て待て待て待て! 明らかに不審すぎるっての。 何でスーツ着てんだよ、ってか荷物何も持ってなかったじゃねぇか! ……思考回路が麻痺し始めて来た。 「ち、ちょっとちょっと不審な者じゃないですよっ開けて下さいよ!」 「ざけんじゃねぇ! んな真っ黒な宅配便屋がどこにいるってんだよボケがぁ!」 「一先ず開け――」 「――帰れっつってんだよ!」 さっきのメールの件の輩だろう。面倒な事に巻き込まれるのは御免だ。 「お届け物ならありますからっそれだけでも」 「ち……」 俺は仕方なく扉を開けた。 まぁ、荷物があれば、後で警察に届ければいい事だしな。 「ありがとうございます。 では、失礼します」 「は、何……」 コイツ何勝手に部屋に上がり込んでんだよっ!
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