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『お水をあげなきゃ』
そぅ言いながら
尚もワンピースを絞ります
ふと、時計を見たお姫様は
『あら
もぅこんな時間』
そぅ言って足早に部屋を出て
自分の部屋へと帰って行きました
《あぁ……ヤッパリ汚れてしまったんだね……》
『そんな事ないわ
だってあの華を美しいと思えたもの
お母様とお父様が言っていたわ』
顔に紅い滴を沢山つけて
お姫様は言います
《そのお父様とお母様はどうしたの?》
薔薇が聞くと
『心が汚れていたから…………!!
……』
自分がした事にお姫様が気づく
『私ったら……何て事を……』
《それが心が汚れたという事なんだよ》
『…………』
お姫様はうつ向いたまま
《……お姫様?》
『フフッ……フフフ…
フフハハハハハハハッ!!
当然よ!!
私を飾りって言ったのよ!?
この城の飾りと!!』
叫ぶお姫様の目からは
赤く黒い涙が溢れました
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