少女

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木と瓦でできた素朴な家 辺りを見渡せば田畑が広がり、耳を澄すませば道の横を通る川のせせらぎが聴こえる そんなのどかな場所に少女は住んでいた 少女の名前は「麻里亜」 田舎の小さな村では 日本人離れしたこの名前で随分からかわれたものだ 麻里亜は祖母と2人で暮らしている 父は戦争に行ってしまい、それっきり帰らずじまい… 代わりにやってきたのは死亡通知を持った役所の人間だった… 母は父に心底惚れ込んでおり、父の居ない世に未練はないと、自ら命を絶った 拠り所をなくした麻里亜は親類を頼り、今の村までやってきたのだ
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