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最近、クラスで妙な視線を感じる。
クラスメートからの視線を感じる。
しかもそいつは男。
そして俺も男。
俺は桜木剛士と言うれっきとした男だ。
そして俺を見つめる相手は流川真吾。
真吾の視線を時々感じ、真吾と時々目が合う。
髪を茶色く染めピアスもいくつかつけている。
だが不良という分けではない。
明るい性格だし交友関係は広そうだが学校行事というものにはてんで興味を示さない奴だ。
一方俺の方は完全に目立たない男。
ぼちぼち生きていけりゃあいいかと思う夢も希望もない高校生である。
もしかしてガンを飛ばされているのだろうか?
特に目立つことはしていないのだが…。
ある日、俺は真吾に呼び出され放課後教室に呼び出された。
『ごめんね。なんか呼び出しちゃったりして』
真吾が謝る。
焼きを入れるわけではなさそうだ。
『剛士くんさ、同性愛ってどう思う?』
は?
なんか拍子抜けしてしまう質問だった。
『まぁそうだな~。アリっちゃあアリかもな。人を好きになるってことぁいいことだとおもうよ。はるな愛とか実際かわいいしな』
とりあえず思ったことをそのまま口にしてみた。
『じゃあさ、もしもだよ?
僕が剛士くんのこと好きだって言ったらどうする?』
…!?
このシチュエーションじゃもしもとかつけなくても100%告白だろうが…。
ちょっとドキッとしたが
『人に好かれるってのはわるいことじゃねぇし、嬉しいっちゃ嬉しいけど少々複雑だな』
真吾は目をうるませながら
『良かった。もう速攻で嫌われるかと思った…』
そんな真吾を見てかわいいと思った俺も否定できなかった。
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