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「うお!」
避けたもののジタンの剣が頬をかすり血が滴れる
「まだまだッ!」
更に接近し剣を振り下ろす
「ぐ…!」
それを守が受け止め辺りに金属音が響く
「このまま押し切る…!」
剣にかかる力がずしりと重くなる
その状況は戦闘経験が乏しく力の弱いオレに十分な絶望を与える
このまま負けて…たまるか……!
「トランスオン!!!!」
守がそう言った瞬間、剣が見えない何かに弾かれる
それと同時にジタンは距離をとり様子を伺う
守の身体からは蒼いオーラのようなものが見え、剣は再び開き剣先からはレーザーのようなものが出ている
よく見るとそれによって剣が長くなっている
「本当に厄介だ…」
ボクはローブの中からプラグのようなものを取り出し、首にある接続部に差し込む
その瞬間、身体に痛みがはしり少年は青年へと成長する
これはジタンの特殊な身体に対して開発された『AMSプラグ』で普段のAMS接続時と同様の効果が得られ、身体能力も上がる
「 「一撃で決める!!」 」
お互いに交差する瞬間、剣を振り抜く
一瞬、誰もが決着がついていないように見えた
しかし…
一人の青年の身体を血が染める
「こんな……ところで…まだ……まだ…
…!ごはぁ…!
死にたく……な…い…」
それは黒髪の青年――倉橋 守だった
腹部を大きく斬られ…血を大量に吐き…
死んだ…
「可哀想だな…
あいつも…
…しかしこんな所で真改に教わった居合いが役に立つとは…」
銀髪の青年――ジタンは血のついた黒い剣を眺め、呟く
「さて行くか…
リンが待ってる…」
そして青年は崖に停めてあったネクスト機に乗りこみ飛び立って行く…
彼の恋人…
『リン・ステイル』が待つ家へ向かって…
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