親子喧嘩

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「ん?お前、なんだその眼は?いつからそんな眼をするようになったんだ?」  女の上段蹴りが義斬の頭を捉え吹き飛ばした。 「酷く人間臭くなったな。反骨精神は失せたのか?ん?」  小馬鹿にしたように、女は笑う。  美人であるだけに、その態度は義斬の癇に障った。  義斬は立ち上がり、再び女に殴りかかる。  女はその拳を軽く受け流しながら、目を細めると侮蔑を込めて言った。 「馬鹿だなお前。忘れたのか?昔お前がどんな馬鹿をやって、どんな結末になったのか」  忘れたくても忘れられるわけがない。  あの痛み。あの悲しみ。あの悔しさ。 「お前は何にもできない人間なんだ。間違っても何か自分にできるかもしれないなんて思うな。どうせ失敗して後悔してお終いなんだ。くだらなく、しょうもなくも、つまらない。そういう人間なんだよお前は」 「うるせぇ!」  真正面から殴りかかってきた義斬を女はひらりとかわし、その腕を掴んで軽く捻る。宙に投げ飛ばされる義斬に裏拳を叩きこむ。 「弱いってこと、もうちょい自覚したらどうだ?」  女はガキ大将のような笑みを浮かべながら、床に這いつくばっている義斬を見ていた。
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