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「なかなか活気ある街だな。さすが、曹操ちゃん」
「ふむ、さすがですな」
「お前はメンマが旨い店があればなんでもいいんだろーが」
「ご冗談を」
「返しかたが間違っていると思うのですが、これいかに!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら、俺は星と陳留街を歩いていた。
曹操ちゃんはこの陳留の刺史なのだが、今はいないらしいので戻ってくるまで暇を潰すことにしたのだ。
優希は歩き疲れて宿で眠り、一刀と啓治に子守りを任せた。なんだかんだあったが、あの二人は気が合うらしい。
だが。
「お前さ、一刀苦手なのか?」
星は真名すら一刀に名乗っていないのだ。
「そういうわけではありませぬ。ただ…………」
「ただ?」
「いえ。やはりやめておきます」
「なんだよ、勿体ぶるなよ~」
「それより早くラーメンを食べに行きましょう」
「やっぱメンマじゃねーか!」
まあ、言いたくねーならいいけど。仲良くなるまではいけないにしろ、話せるようになるには一刀しだいだろう。
「それよりさ、やっぱ敬語やめないか?全くもって慣れないんだよ」
「却下」
「…………そうですか」
頭を掻きながらため息。
空にはカラスが呑気に飛んでいた。
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