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「ま、そういうわけだから気にするこたねー」
痛い、痛いから首に噛み付くな優希。
「ははは」
その光景を見て一刀は笑っていた。瞳に少し涙が浮かんでいたけど、きっと気のせいだ。
「なんだよ、いい顔して笑えるじゃねぇか!その顔………つーか気持ち、絶対忘れんなよ。お前は笑ってる方がカッコいいんだからよ」
今の俺ちょっとかっこよくなかったか?
同意を求めるように視線を後ろに向けると。
「義斬って、そっちの気があったの?」
「大丈夫です主。私はそういう趣味の人間にも偏見を持たぬよう頑張りますので」
「まさか俺まで狙ってるんすか、隊長?」
引き気味の視線で俺を見てくる一同。聞こえません。私は何も聞こえません。
「義斬」
おそるおそる俺は振り返る。お前も変なこと言わないでくれよ一刀。俺はスライド式携帯電話の画面並みに傷つきやすい性格なのだ。
「ありがとう」
「…………ああ」
やっぱいい奴だよこいつは。
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