約束

2/3
前へ
/178ページ
次へ
―――… 「れいちゃん、れいちゃん? なんで泣いてるの?」 『みんなが女の子みたいだって言うんだ、この名前… ぼく嫌い、もうやだよぅ。』 「そんなこと言わないでっ! ママが言ってたよ? れいちゃんの名前はいい名前ねって。 わたしは好きだよ!」 『ほんと…?』 「もちろん! わたしの名前ね、 美しい桜って書くんだけど、 ほら…こんなでしょ? すり傷だらけだし、 おとこまさりって言われるし… みおたって呼ばれるんだよ? ひどいよねっ!」 『ひどい…ね。 でもみーちゃんだってぼくのことちゃん付けで呼ぶじゃん…。』 「わたしはれいちゃんのこと女の子みたいなんて思ってないもん! だって女の子みんなれいくんって呼ぶから、 みんなと一緒はやなのっ! わたしはれいちゃんの特別でしょ?」 『うん…特別。 じゃあみーちゃんだけは許してあげる。』 「うんっ、ありがとう!」  
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1196人が本棚に入れています
本棚に追加