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少年はいつものようにあの丘に向かう。
拒食と過度の睡眠不足もあり、少年のからだも精神もボロボロになっていた。
家から丘まではバイクで十分程度。
ブォーン←バイクの音
キキーッッ!!!!!
ドンッ!!!!!!!
少年は空に投げ飛ばされた。
気がつくとそこは病院だった。
少年「あぁ…。そういえば車が目の前に来て…。ッッ💦身体が動かねぇや…。」
少年は自分が生きてる事に少しだけガッカリしていた。
あのまま死んでいればこのつまらない所から抜け出せると思ったのだ。
空で待ってる親友の元へ行けるのではないか…。
ガチャッ
男「具合いはどうだい?」
眼鏡をかけ、髭を生やした細身の男が語りかけてきた。
どうやらこの男は医者らしい。
少年「…」
少年は無言のままそっぽを向いた。
医者「怪我は命には別状はないから大丈夫だよ。…問題は君の健康の状態だね。栄養失調、それにひどい睡眠不足みたいだ。どうしたんだい?」
少年「…」
少年は何も答えなかった。
医者「…まぁしばらく入院してもらうからね。精密検査もしなくちゃいけないし。とりあえず今日はゆっくり休んで下さい。」
少年「…」
少年は無言でうなずく。
夜になっても眠れるはずもなく、ただ天井を見つめ自分の思考回路のスイッチを切った。
少年にとってこの状態が睡眠なのである。
気がつくといつものように朝になっていた。
看護婦「おはよう。よく寝れましたか?」
少年「…」
少年はまるで人事の様に何も答えない。
看護婦「どうしました?どこか痛みます?」
心配そうに少年を見つめる看護婦。
少年はその視線が大嫌いだった。
少年(何も分からないくせに心配なんかして欲しくない。一体自分の何を心配しているんだろう?)
少年の心は闇に沈んでいった…
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