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怪我の具合いも良くなり、身体の痛みもほとんど消えていた。
ケイは一日の大半を屋上で過ごしていた。
人が少なく、静かだからだ。
いつものように空を眺めていた。
キィ~
屋上のドアが開く音だ。
扉が古いのもあって開けると鈍い音がする。
ケイはこの音がひどく嫌いだった。
ケイ(部屋に戻るかな…)
ケイは自分の病室に戻ろうと思った。
ガシャン!!!!
振り向いた瞬間、何かにぶつかった。
車椅子が倒れていた。
どうやらこれにぶつかったらしい。
少女「イタタタ💦」
車椅子の脇に少女がしりもちをついていた。
ケイは無言で少女を車椅子に戻し、うつむいたまま自分の病室へ戻っていった。
それが彼女との出会いだった。
ケイは何事もなかったのかの様に病室の窓から空を見ていた。
コンコン
医者「調子はどうかな?明日検査をして異常がなければ退院だから」
ケイ「…」
ケイは相変わらず無言のままだった。
明日でこの箱から出られるんだ。
その日の夜…ケイはふと屋上から見た空を思い出した。
ケイ「今日で最後だし屋上に行くかな」
特に思い入れがあった訳ではないが思いつきで屋上に向かった。
いつものあの古い扉を開ける。
キィ~
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