~強さ~

2/5

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
怪我の具合いも良くなり、身体の痛みもほとんど消えていた。         ケイは一日の大半を屋上で過ごしていた。         人が少なく、静かだからだ。       いつものように空を眺めていた。         キィ~       屋上のドアが開く音だ。   扉が古いのもあって開けると鈍い音がする。      ケイはこの音がひどく嫌いだった。         ケイ(部屋に戻るかな…)      ケイは自分の病室に戻ろうと思った。         ガシャン!!!!         振り向いた瞬間、何かにぶつかった。       車椅子が倒れていた。      どうやらこれにぶつかったらしい。       少女「イタタタ💦」       車椅子の脇に少女がしりもちをついていた。        ケイは無言で少女を車椅子に戻し、うつむいたまま自分の病室へ戻っていった。             それが彼女との出会いだった。         ケイは何事もなかったのかの様に病室の窓から空を見ていた。           コンコン       医者「調子はどうかな?明日検査をして異常がなければ退院だから」       ケイ「…」       ケイは相変わらず無言のままだった。       明日でこの箱から出られるんだ。       その日の夜…ケイはふと屋上から見た空を思い出した。       ケイ「今日で最後だし屋上に行くかな」       特に思い入れがあった訳ではないが思いつきで屋上に向かった。       いつものあの古い扉を開ける。         キィ~
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加