~強さ~

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ケイは屋上の扉を開けた。       ケイ「…?誰かいる…。」      ケイは少しガッカリして自分の部屋に戻ろうと思い扉に手をかけた。        「ねぇ。」       ケイは辺りを見回した。      自分以外誰もいない事を確認して     ケイ「俺の事呼んだ?」       「貴方以外に誰かいる?」       ケイ「それもそうだね」       ケイはふと思った。     (どこかで聞いた事ある声だな…)       目を凝らして見て見ると、あの車椅子の少女だった。       少女「こないだはごめんね。」       ケイ「…」   ケイは無言で首を振る。      少女はクスッと笑うと空を見上げた。       ケイもいつものように空を見ていた。       それからどのくらいの時間が経っただろう…      少女の口が開く。       少女「空っていいよね」      ケイは空を見たまま答える。     ケイ「何が?」       少女「どんなに離れてもみんな空で繋がってるから…。空を見てると寂しくなくなるんだ。」           ケイ「!!!!!」       ケイは驚いた。   ナオキと同じ事を言った少女に。       ケイは驚きを必死に抑えて冷静を装って答える。       ケイ「空は終わりがないからね」       少女は振り向いて答える。       少女「空になれたら何処にでも行けるのに…。なんだって出来るんだろうなぁ…。」       ケイは耳を疑った。       それでもケイは冷静を装い、顔色一つ変えずに答えた。     ケイ「人って生きられる時間が限られてるから頑張れるんじゃないかな」       少女は強いまなざしでこちらを見た。       少女「…貴方は頑張ってるの?」       ケイ「…」       ケイは言葉がでなかった…。       今、自分は生きる事さえやめようとしてた。      何もしていない自分…      ケイは少女の顔を見れずうつむいたままだった。       すると少女は真剣な顔つきで語り始めた…
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