~強さ~

4/5

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
少女「私ね。小さい頃から病気なんだ。学校も行った事ない。友達もほとんどいないんだ。このままずっと病院から出られないかもしれない。…けど、いつか病気が治って外に出られるって信じてるから。だから毎日頑張ってる。病気から逃げずに戦ってる。けど、君は…」       少女は悲しそうな顔でこちらを見た。     ケイ「俺?」     ケイは必死に平静を装っている。     少女「君、辛そうだよ…。何があったか知らないけど、自分傷つけちゃ駄目だよ…。強がってばっかりじゃいつか疲れちゃうでしょ?」         ケイは無表情で答えた。    ケイ「大丈夫だよ。俺は強いから。」     ケイはまた嘘をつく。       少女はじっとこちらを見ている。     少女「君は本当にそれでいいの?ずっと強がって、自分隠して…」      少女は悲痛な表情をしている。     ケイは疑問に思った。   なんで初めて話すのにここまで心配するんだ?     なんでわかるんだ?     ケイの頭の中は混乱している。     少女「自分に嘘をついてる人なんて大嫌い…」     ケイは無表情で答える。    ケイ「俺は人に好かれようと思ってないから」    ケイはそう言うと女「…私あやこ!!…君は?」     少女は遠ざかって行くケイに言い放った。     ケイは立ち止まり、       ケイ「…ケイ」     ケイは振り返らずに答えた。     あやこ「…ケイ君。また話せるかな。」     ケイ「明日、検査結果が良かったら退院だから。」     あやこ「…そっか。」       ケイは病室に戻り、ベットに横になった。       ケイ(あやこって言ってたな…。病気って言ってたけど、どんな病気なんだろう…)     ケイは自分以外の人の事を考えるのが久しかった。       ケイ(…あの人、ナオキと同じ様な事言ってたっけ。…空か…)     ケイは空を見ていた。       ケイ(ナオキ…。会いたいなぁ…)       何故かケイは急に寂しくなった。           …コンコン       看護婦「おはよう。もうすぐ検査するからね。」         どうやらいつの間にか寝てたらしい。       …寝た?何故寝れたんだ?       ケイは訳がわからないまま検査に向かった。       医者「…まぁ、怪我の方はすっかり良くなった様だね。退院しても大丈夫だ。」     ケイはあやこの病気の事が気になっていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加