ヒ アイ

────いや、やっぱり私のためかな…。

彼が私がいなくなって、喜んですぐ真夜ちゃんのところに飛びつくわけがない。

絶対凄く傷つく。
傷ついて傷ついて、自分のした罪を咎めてボロボロになって、初めて真夜ちゃんに助けを求める。

そしてきっと、真夜ちゃんも喜びはしないだろう。
驚いて、あの子も自分の罪を咎める。

主観と客観を繰り返して、自分のしたことと彼の気持ち、私の気持ちを探ろうとするだろう。

だって、きっとあの子はもう二番目を受け入れたのだから。

自分は全力で愛されてはないと。ただ、次また私に否定されて、真希が愛を否定するのを怯えて待つと。

二人は絶対、私という邪魔者が消えたことを喜ばない。

わかってる。わかってるからこそ、私は離れるのだ。
自分が離れることで傷つく二人を見たいがために。

私の心は汚れているのかもしれない。
だけど、きっと二人も気付く。
私は本意でこんなやり方を選んだんじゃないと。
二人の浅い時間と深い愛が妬ましかったんだと。

違う、これは希望だ。気付いて欲しい。