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真希は作られる。その人の望む人間に。
真夜ちゃんもそうだ。あの子は人の好む姿に変身出来る。
真希も真夜ちゃんも、俳優なのだ。
私の前では大人しい穏和な気質。
真夜ちゃんの前では、しっかりとした少し大人な人間。
真夜ちゃんは、私に対しては全然普通の女の子だった。
柔らかい物腰とは裏腹に、強い意志を持っている。
真希の前ではきっと、繊細なガラス細工のように儚い女を演じているだろう。
真夜ちゃんだけは、怖かった。
真希に近寄ってくるどの女の子よりも、真夜ちゃんは怖かった。
あの子は人を見る力がある。そして、手中で転がす術を知っている。
最初から真希を見破っていた。
本当は怖くないことも、少しだけ意志が弱いことも、それでこそ弱い女が好きだということも。
そして、私が真夜ちゃんに対して嫌悪を抱いていることも、きっと解っていたはずだ。
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