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月が輝く夜空で紫の雲が棚引く。その下の屋敷で、怒鳴り声が響く。
「小春はまだ見付からないのか!」
「申し訳御座いません!只今捜索途中で…」
「早く捜せ!」
「朱雀…少し落ち着け」
「父上……。ですが小春が…」
「すぐに見付かる。都中で捜しておるのだぞ」
「ですが…、もう一ヶ月も…、もし他の男に誘惑されたりされては、あの子ならほいほいと…」
小春の美しさは都一と言われている。彼女を狙ってる男は何人も居る。ついこの間は男が押し寄せたというではないか…。
「私はこの屋敷で待つだけなのか…」
「朱雀…。安心しろ、必ず陰陽寺の娘は連れ戻す」
朱雀の父が励ます。
だが一体何処へ行ったのだろう。
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