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「失礼します。朱雀様に会せたい方がいらっしゃるのですが…」
「どうした?」
襖を開けて朱雀が現れた。
「小春様の件で…」
「すぐに会わせろ!」
「はい。今すぐ」
「そなたか?小春について何を知ってる?」
男は商人の様で、服装からすると結構儲けているのだろう。
「あれは一ヶ月前の事でした。私は仕事帰りに陰陽寺家の前を通りました。陰陽寺家の近くには小さな竹藪が有りますよね。そこで見慣れない服装の方と、小春様がお話なさっていました」
「それで小春は!」
「それが、小春様が逃げようとしたら光と共に消えてしまったのです…」
「信ずるべきか、それとも…」
「疑うのは構いません…私にもよく解らないのです…」
捜索させてみるか…
「解った。一応捜索させる。情報感謝する」
「いえ、お力になれて幸いです」
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