小鳥たちと朝のダンスを踊ろう

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 でも、ちょっと遅かったようですね。 あなたの頭に冷たく響いた水晶の如く輝く粒のようなもの。  そう、雨が降ってしまいました。 きらきらと朝の日差しとは違う光を放つ雨粒たち。  綺麗ですか? それとも  あなたは、空の悪戯に鬱陶しいと思いますか? 後者ならば、それはほんのひとときです。  なぜなら、 空が降らした雨たちは大雨でなければ、そんなに強くもない。 だから「空の悪戯」なのです。 「はやくこちらへいらっしゃい、濡れてしまいますよ」  ようやく聞こえた先には、そう言っていました。  優しく、穏やかな声。  それは、あなただけに言っているのではなく、あなたのそばにいるたくさんの生命に言っているのでした。 .
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