彼岸花

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俺はその花を握りしめて…… 部屋をさる。 「あら、銀八先生じゃないですか」 廊下に出た俺に話掛けてきたのは、高杉の友達、河上 万斉の母。 「どうも」 元気に返事をする余裕がない。 力を抜けば涙が溢れてしまいそうだった。 カツン それは俺を絶望へと突き落とす音。 「そんな空き部屋に何の御用で?」 あ…空き部屋… は?なにいってんだよこの人。 ここには高杉がいるじゃねぇかよ。
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