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『なっなにいってんだよ…だっだってお前』
そうだ。だって今今、高杉は目の前にいるじゃないか。
だが、気づきたくないことほど
気づきたくないことほど。
本当は最初からわかってた。
でもでもわかりたくない。
わかりたくないんだよ高杉。
『なんでお前
こんなに冷たいんだよ』
それに高杉は苦笑いを浮かべた。
それは肯定。
高杉は生きていないということ。
否定したくともそれは真実で。
死にたいくらい苦しくなった。
『すまねぇな銀八。
約束まもれそうにねぇや』
やめろよ。
本当はそんなの嘘なんだろ?
『なぁ嘘なんだろ?
先生騙して遊んでんだろ?なぁ高杉!』
しかし高杉は困った顔をしたまま押し黙ってしまった。
無言の肯定。
俺は崩れ落ちた。
それを悲しそうな顔で見つめる高杉。
そして苦しげに呟いた
『俺…もういかねぇと…』
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