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『いかないでくれよ…頼むから隣にいてくれ
笑ってくれ。話してくれ。一緒にいてくれ。
それで
“愛してくれ”』
涙で涙でいっぱいだった。
だけど確実に確実に別れの時は近づく。
別れたくはない。
この身体を離したくない。
なのにどうして
時間というのは止まってはくれないのだろうか。
だんだんと透けていく高杉を。
どういう顔で見送ったらいいんだよ。
『銀八。
頼むから最後くらい笑ってくれよ』
顔をあげると、泣きそうで、銀八をみる高杉がいた。
なんだよ
お前だって全然平気じゃねぇじゃねぇか…
俺はサイゴに涙をこらえて高杉に抱き着いた。
そして最高の笑顔で呟いてやる
【愛してたぜ。晋助】
『あぁ俺も』
そうやって
そうやって
晋助はきえてしまった。
俺は最後まで最後まで。
泣きながら笑ってやった。
全てはあいつのため。
全てがお前をわすれても
俺だけは俺だけは。
お前をわすれないから。
本当に本当に
愛してる
【真っ赤な真っ赤な彼岸花。咲き誇れば死に誘い。もう二度と逢う事は叶わない。
真っ白な真っ白な彼岸花。咲き誇れば、再会を意味する。
もう一度だけ逢いたい人に遭える。
けれども、二度と再会は叶わない】
END
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