彼岸花

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俺が着いた先は503号室。 不思議と何故か回りは音が無音。 まるで時が止まっているみたいだった。 ピンポンを何回も回しても中から音がする気配がない。 俺は静かにドアノブをまわす。 「あ…開いてる」 俺はドアをバンっと開けて中へとはいった。 靴を脱いで中へと足を進める。 そこには見覚えのある家具…… がない。 「なっ!?」 そうそこには何も無いのだ。何時ものソファ、料理を作ってくれたキッチン、たまに一緒に寝ていたベッド。 だがそこには広々とした部屋が広がっている。 だがそこの真ん中。 そこだけが違う。 俺が今一番見たくないもの… 悪夢の原因。 「彼岸花?」 たった一輪の彼岸花。 真っ赤に染まった。哀しき花。 なんで嫌な予感だけはこうもあたってしまうんだろう。
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