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退路が絶たれた様な破壊音が頭に響く、妹には嘘を言ったのに他は気にしなくても良いのだろうか。
優真「私は、一が好きだから」
俺「……………」
恐怖で後ろを振り向く事が出来なかった、今の俺の顔は普通に笑えているだろうか。
優真「一、気分悪い?」
俺「いや、逆だよ」
最初から気にする必要なんて無かった、他の人は他の人なんだから。
俺「嫌いじゃない、楽になったよ」
優真「良かった、嫌いじゃないなら」
涙は出てないか確認したくなった、確実に何人かを敵に回しただろうと思ったからだ。
菖「そっ空乃さん、そんな奴の何処が…何処が良いって言うの!?」
優真「皆に、優しい」
珍しい事もあるものだ、他人にはあまり興味の無い菖が怒っている感じがした。
菖「それ…だけ?かっこいいって訳でも成績が良いって訳でも無いこんな奴が!?」
優真「本当の気持ちに嘘はつけない、一が好き」
優真が抱く腕には力が伝わって来る、心臓が止まるかと思うくらいだったが何処か心地良かった。
優真「嘘は良くない、私は……んっ」
俺「んむっ!?」
唇に触れる感触、クラスの人の前でファーストキスをしていた俺達。
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