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質問には正直に答えたつもりだった、なのにそれからずっと不機嫌そうに空を睨んでいる。
菖「何よ」
俺「何で不機嫌そうなのか全くわからないんですが…」
またトラブルを起こしたのかとクラスメイトに笑われている、菖は学校でも中の上に入る顔立ちなので目立っているだろう。
菖「うるさい!」
10円で買えるお菓子を何個賭けるか等を話してる人もいる、俺と菖の口勝負を賭け事にしているみたいだが勝負している訳では決して無い。
菖「あんたの無い脳ミソをかき回せばわかるんじゃないの!?」
俺「それは…、傷付くな…」
記憶の病気があるからこそ何も言い返せない、何と言って良いのかわからなかった。
菖「あっ…ごめん……、そんなつもりじゃ…」
俺「過去に何があったかは知らないけどお前は何かを知ってるんだろ、教えてくれないか?」
どんなに鈍感な俺でも気付いていた、俺の過去を確実に知っている人間が。
菖「ごめん…」
それ以上は口を開いてくれなかった、俺は踏み込んじゃいけない所に踏み込もうとしているのだろうか。
優真「一、元気無い?」
俺「俺が笑えて無かったら多分な…」
精一杯の笑顔を見せてあげた、笑えて無かったのか優真は頭を撫でてくれた。
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