双子は双子であっても

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優真「自分に嘘、良くないよ?」 俺「悪い、泣きたいのかも知れないな…」 涙は出なかったが泣いていたんだと思う、5歳の俺が何処かに忘れられて泣いていたんだと思う。 しばらく何も考えて無かったと思う、気が付くと隣に優真が立っていた。 優真「演劇部、行って良い?」 俺「ん…あぁ、もうそんな時間か…」 いつの間にかの放課後、慌ただしく部活や帰宅の準備をしている人達がいる。 俺「あんまり気が進まないけどな、行ってみますか」 何ヵ月振りだろうか、演劇部の部室に来るのは久しぶりだ。 *「凄く長い遅刻だったではないか、遭難でもしてたのか!」 頭を叩いて来る先輩を引き剥がして棒付きの飴を与える、しばらくは黙っていてくれる。 優真「異世界の生物?」 俺「一応先輩だ…」 小学生と間違える容姿、引っ掛ける男はロリコンか優しい人だけだ。 伊能舞桜(イノウマオ)と言う名前、マオをマオウと読んでも問題ないくらいの言動をする。 舞桜「うひゅうひんへわひゃいあ、ひはひういあ!」 優真「久しぶり」 喋るかしゃぶるかどちらかにして欲しいものだ、飴が長いのか規格外の口をしているのか俺は聞き取れない。 俺「行儀悪いですよ先輩…」
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