双子は双子であっても

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舞桜「その前に台本を渡すぞ、役に合いそうなのを捕まえて来てくれ!」 台本の内容はこうだ、主人公である人物の家族が死んでいく山奥の館のお話。 主人公は二重人格であり、最後には自分で家族を殺したのだと気付くらしい。 俺「ぐっ…うぅ…」 ひどい頭痛が俺を襲う、嫌な汗と血に染まった記憶が出て来る。 俺?『僕が…僕が…皆を殺したんだ…』 ?『違う、それは違うよ!』 雨に打たれながら空だけを見つめている俺らしき人物、サイレンの音と赤い景色が印象的だった。 和未?『お姉ちゃんの目を見て!犯人は違う人!』 俺?『包丁持ってる…、僕が…悪い…』 血だらけの3人が川の字で寝ている、俺らしき人物の両側は動かない。 和未?『ごめんね…、もっとお姉ちゃんがしっかりしてたら…』 俺?『泣いてる…お姉ちゃん…が、いいこいいこ…いいこいいこ…いい…』 そこで力尽きたのだろう、そこから先の記憶は無かった。 俺「はぁ…はぁ…、俺が…はぁ…はぁ…」 舞桜「本当におかしいぞ、大丈夫なのか?」 自分が大丈夫なのかは自分が知りたかった、優真に支えられて立つのがやっとの様だ。 俺「風邪でもひいたのかな…、ただの頭痛ですよ」
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