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避けるので精一杯の速さ、一本の刃が優真の頬を掠める。
気を抜いてしまった優真は大きな剣を手放してしまった、諒の刃はここぞとばかりに降り注ぐ。
諒「守る物の大きさが違う、あの世で再戦してやる!」
優真「……………」
諒の刃を握り締めた優真、そこには涙を流したりするような優真はいなかった。
優真「一は小さくない、貴方は可哀想だよ」
両手から血を流して笑っていた、諒に向けて微笑んでいたのだ。
諒「何…笑ってんだ、何で勝ち誇った目で見てられる!」
優真「私は死なないから、一のジャージは死なない」
諒には理解し難いことだった、鎧で身を硬めているわけでも無い相手に死なないと言われたのだ。
優真「一が貸してくれた、何よりも大きくて暖かい」
諒「布切れに何が…出来…る」
魔王降臨の様な音楽が聴こえた諒、ナイフ一本で戦場から生還した諒の師匠と同じ気迫の音楽。
優真「一のためなら何回でも死ねる、貴方には出来ない」
離れようにも体が動かない諒、純粋な殺意に恐怖して動けないのだ。
諒「動け…動け…」
優真「死んだ様に生きる、貴方にはそんな罰を…」
~*~
優歌「もう少し早く歩いて下さい」
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