怪しい影

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俺「これはもうスリッパじゃない、血を含んだ布の塊だ…」 肺の中に充満した血の臭いは吐き気を誘う、奥に進むほど触手の生えた犬みたいな生き物は出なくなったが血溜まりがある。 俺「胃液が出そう…」 優歌「何も食べてませんからね」 出来る事なら血溜まりなんて見たくなかった、夢であって欲しいと願っていた。 優歌「お姉ちゃんの連絡は途絶えるし、保護対象は弱いし…」 俺「宇宙人ってやっぱり電波でも飛ばしているのか?」 素朴な疑問をぶつけてみる、すると可哀想な子を見る様な目で見てきた。 優歌「貴方は私達を何だと思ってるんですか、電波でも配慮に配慮を重ねて携帯電話くらいですよ」 俺「なんかすいませんでした」 心なしか最初に会話した時よりも柔らかい表情をする様になった気がした、普通の女の子の様に。 優歌「いきなり黙らないで下さい、ニヤニヤしてて気持ち悪いんですけど」 俺「すんません、不謹慎な事を思ってました」 見た目からいけば違和感の無い暴言、普通女の子の様にと言うのは不謹慎だったか。 優歌「なんと言うか…、こんな平凡が…あっ…」 不吉な事があった時に似た発音、優歌は足を止めた。 俺「どうした?」
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