怪しい影

10/10
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
槍で壁に押し付けられた人物がゆっくりと動く、動く度に血が滴り落ちるのが見える。 諒「殺せ…殺せぇ!」 優真「………わかった」 優真の一言に驚きを隠せなかった、優真を追おうとしたが優歌に腕を掴まれる。 俺「止めないと!」 優歌「悪い事をするとこうなる、しっかり目に焼き付ける事が役目」 優真は落ちていた刀を拾い上げる、諒の持ち物の刀だろう。 刀を持ちゆっくりと諒に近付く、優真は縦向きに諒を一閃した。 俺「優真!」 一瞬だけ頭の中が真っ白になった俺は両膝を着いていた、目の前で殺人が起きたのだから仕方ない。 優真「楽になった?」 諒「くっ………殺せぇ!」 優真は刀で顔を覆う布とマントを切り裂いた、男だと思っていた諒は女の子だった。 優真「IDカードは破壊した、貴方は軍に戻れない」 諒「星一つの運命背負ってんだよ、成功しないなら死んだ方がましだ!」 再び頭が真っ白になっていた、気が付いたら拳銃を投げ付けていたのだ。 俺「無理して自分を演じるな、俺は星を救うアイテムなんかじゃない!他の方法で足掻くくらいの事を見せてみろ!」 自分でも何を言っているのかわからなかった、一つだけわかるのは何かを偽る諒の心だった。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!