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諒「水城諒です、んっ?お前、前に会わなかったか?」
俺「……いや、わからない」
次の瞬間、俺は頭を、諒はお腹を押さえて苦しんだ。
俺「ぐっ…知っている…のか…?」
諒「鈍痛が…、ダメだ…思い出せない…」
平凡を望んだ先に、こんな嫌な結末が待っていたのだろうか。
菖「あんた…また記憶が…、この前全部思い出したって…」
俺には昨日の記憶が無い、最近の事を忘れてしまったみたいだ。
俺「いったい…俺は…、あっ…」
全ての記憶が繋がる瞬間、足りない何かを掴んだ気がした。
俺「先生、早退します!」
とにかく走った、喫茶店、病院、商店街、ひたすら走った。
家に着いた時には鞄が無い事にすら気付かなかった、一人の同級生を見付けたからだ。
俺「勝手にやって来て、勝手に居なくなる、正直に迷惑だ!」
視線の先には上だけジャージの女の子、女の子は俺の家から去ろうとしていた。
*「記憶…消えてない?」
俺「忘れるのが得意なんだ、思い出すくらいなら簡単だ」
女の子にゆっくりと近付く、息を調えて一言一言を吐き出す。
俺「挨拶くらいあっても良いじゃないか、気分が最悪だ、お前の帰る場所は、宇宙じゃないだろ?」
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