平凡な日常

3/6
前へ
/60ページ
次へ
諒「水城諒です、んっ?お前、前に会わなかったか?」 俺「……いや、わからない」 次の瞬間、俺は頭を、諒はお腹を押さえて苦しんだ。 俺「ぐっ…知っている…のか…?」 諒「鈍痛が…、ダメだ…思い出せない…」 平凡を望んだ先に、こんな嫌な結末が待っていたのだろうか。 菖「あんた…また記憶が…、この前全部思い出したって…」 俺には昨日の記憶が無い、最近の事を忘れてしまったみたいだ。 俺「いったい…俺は…、あっ…」 全ての記憶が繋がる瞬間、足りない何かを掴んだ気がした。 俺「先生、早退します!」 とにかく走った、喫茶店、病院、商店街、ひたすら走った。 家に着いた時には鞄が無い事にすら気付かなかった、一人の同級生を見付けたからだ。 俺「勝手にやって来て、勝手に居なくなる、正直に迷惑だ!」 視線の先には上だけジャージの女の子、女の子は俺の家から去ろうとしていた。 *「記憶…消えてない?」 俺「忘れるのが得意なんだ、思い出すくらいなら簡単だ」 女の子にゆっくりと近付く、息を調えて一言一言を吐き出す。 俺「挨拶くらいあっても良いじゃないか、気分が最悪だ、お前の帰る場所は、宇宙じゃないだろ?」
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加