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いつの間にか修学旅行から帰っていた……
思いだす事すらおっくうになるほど色々な事があり、まだ新築の匂いを残すこの家に戻ってこれた事が不思議なくらいだ。
夜這い、おでん事件の後も男子達は最後の日まで夜這い&覗きを止めなかったが、ことごとく蓮先生と姉さんに阻止されていた。
修学旅行の代休と称された平日の日の昼前、リビングには家族4人に加え、もう1人が切迫した面持ちで椅子に座っていた。
その人物とは修学旅行において男子達の夜這い&覗きを阻止した英雄の1人、瑠璃垣 蓮先生だったりするんだが、本人からはいつもの覇気が全くと言っていい程感じられない。
その瞳は恋する乙女であり、その手は恋する乙女であり、その足も恋する乙女であり、胸も何もかもが恋する乙女だった。1つだけ違う所があるとすれば恋する乙女には似合わないジャージ姿だった。
テーブルには寄り添うように姉さんと天草さんが隣合わせで座り、向かい側には蓮先生。
俺と、今し方3人に飲み物を出し終えた乙葉は一緒にソファーに座りながらその一部始終を眺めていた。
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