14228人が本棚に入れています
本棚に追加
ドアノブが回りドアが開く。
俺は一瞬の判断で寝ているフリをする事にした。
たとえ起きていようとも、乙葉に起こされたいらしい。
布団を深く被り乙葉が近付くのを待つ。至福の時って多分こういう時なんだろう。
乙葉はすぐに俺を起こそうとはしなかった。
ベッドの前まで来て俺が起きているかをこっそり確認する。
少し顔を近づけて俺が寝ているのを確認すると何故か頬を染めた。
えっ、頬を染める要因がどこに?
「し、真くんの寝顔です……」
いつも見てるだろう……そうツッコミたいのをなんとか堪える。
「い、いいですよね?」
乙葉は自分に問いかけるように呟く。当然返事は返ってこない。けれど乙葉の頬は林檎みたいに真っ赤に染まる。
「こ、恋人ですし、良いですよね?」
どうやら恥ずかしい事をするらしい。これだけの乙葉の言葉でこれから起こり得る事を予想できてしまう俺も俺だけど。
「な、何だか新婚さんみたいです」
そう言いながら綺麗で小さな唇を俺の顔に近付ける。
予想していたけど、これってやっぱり新婚起こしってやつだよな。
朝はキスでお目覚めってラブラブしちゃうアレだよな。
最初のコメントを投稿しよう!