14228人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふ、ふぅ~ふぅ~」
何故かろうそくを消すように息を吐く乙葉。
そこにろうそくはない。あるのは空気と俺の頬だけだ。
「し、深呼吸」
胸を押さえて息を整えようとする。
「ヒッヒッフーヒッヒッフー」
それは深呼吸じゃないから!なんか産まれちゃうから!
「ヒッヒッヒック」
何でラマーズ法からしゃっくりに変わるんだよ……
「だ、大丈夫ですよね……恋人ですから大丈夫ですよね……キ、キスくらい……キス!?」
自分で言ってて恥ずかしくなっちゃったらしい。
俺としては早くキスして欲しいんだが……もう5分はたったぞ……
「わ、私……真くんと……そ、添い遂げます!」
いつの間にかキスよりレベルアップしている!?
徐々に近付く温かな吐息。
目をつむりながら唇を震わせる乙葉はなんとも愛おしい。
そんな乙葉を薄目で見ていると悪戯したくなってきた。
乙葉は未だに後数センチの距離で躊躇しているみたいだし、俺からしても良いかもしれない。てかしちゃおう。
目を閉じていて気付かない乙葉の唇にそっと俺の唇を合わせた。
「っ!!?」
最初のコメントを投稿しよう!